自然災害に遭われた方々へ、
私たちにできる支援
日本では、大雨や洪水、地震など、さまざまな自然災害が発生します。時には人々の生活を一変させるほどの甚大な被害をもたらし、私たちが自然の力の前にいかに無力であるかを痛感させられる場面もあります。
こうした災害によって被害を受けた方々に対しては、金銭的な支援が必要不可欠です。その支援は、自治体や団体を通じたものに限らず、私たち一人ひとりの寄付によっても行うことができます。
寄付をご検討される際は、必ず各支援団体の公式ページをご確認のうえ、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。
義援金は、災害によって被害を受けた方々に対し、生活再建を支援する目的で直接届けられるお金です。主に都道府県や日本赤十字社などの公的機関が窓口となって募金を受け付けています。
この義援金は、100%が被災者に配分されることが大きな特徴です。ただし、被害の全容が明らかになるまでに時間がかかることが多く、被災者名簿の作成や配分基準の策定などを経て、公平に分配されるため、実際に手元に届くまでに数か月かかる場合もあります。
なお、「義援金」は「義捐金」とも表記されることがありますが、意味や用途に違いはありません。漢字の正確な表記としては「義捐金」が古くからの表現ですが、現在では「義援金」が広く用いられています。
日本赤十字社(にほんせきじゅうじしゃ)は、1867年に設立された慈善団体で、世界191の国と地域に広がるネットワークを生かして活動している赤十字の日本支部です。主な目的は、戦争や自然災害、病気で苦しむ人々を敵味方の区別なく助けることで、国内だけでなく海外でも活動をしています。例えば、災害時に避難所を開設したり、医療支援を行ったりします。また、献血活動もしていて、必要な血液を提供しています。赤十字のシンボルである赤い十字は、世界中で「助け合い」の象徴とされています。日本赤十字社は、ボランティアや寄付で支えられており、誰でも参加して助け合いの活動に貢献することができます。
赤い羽根共同募金(あかいはねきょうどうぼきん)は、毎年秋から行われる募金活動で、日本全国で実施されています。この募金活動の特徴は、募金の呼びかけには赤い羽根のシンボルが使われており、集められたお金が地域の福祉活動に使われることです。その地域で困っている高齢者や障がい者、子どもたちへの支援など人々や団体に直接届けられます。また、地域のボランティア団体や学校、企業などが協力して行うため、多くの人々が参加しています。この活動を通じて、だれもが住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、みんなで支えあい、地域社会のつながりを深めることができます。赤い羽根共同募金は、地域福祉の推進のための重要な活動です。
支援金は、被災地で活動するNPO法人やNGOなどの支援団体に提供されるお金で、救命活動や物資の提供、避難所の運営、医療支援など、現場での支援活動の資金として使われます。
義援金と異なり、被災者個人に直接届けられるものではなく、支援団体の活動費となるため、より迅速かつ柔軟な支援が可能です。炊き出しや物資配布など、被災直後に必要な支援を即座に行える点が特徴です。
ただし、団体によって活動内容や支援対象が異なるため、支援先を選ぶ際は、その団体の活動実績や透明性を確認することが重要です。使用用途が明確であるか、報告体制が整っているかなどを参考に、自分が共感できる団体へ寄付するのが望ましいでしょう。
ピースウィンズジャパン(Peace Winds Japan)は、1996年に設立された日本発祥のNGO(非政府組織)で、主に世界中で起きている紛争や自然災害の被害を受けた地域で人道支援を行っています。困っている人に本当に必要な支援を届けることを目的に、自然災害が発生した地域には、現地に早急に駆けつけ、必要な物資を届けたり、避難所を設置したりして人々を助けます。また、戦争や紛争が起こった地域では、傷ついた人々のための医療支援や、子どもたちが教育を受けられるように学校を作ったりします。また、現地の人々と協力しながら、長期的な支援活動を行い、地域の復興にも力を入れています。この活動には、多くのボランティアや寄付が支えとなっており、誰でも参加して支援することができます。
セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)は、1919年にイギリスで創設された子ども支援専門の国際NGO(非政府組織)で、約120か国で子ども支援活動を展開、日本では1986年にセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが設立され、世界中の子どもたちを守り、支援する活動を行っています。この団体は、戦争や災害、貧困などで苦しんでいる子どもたちに対して、食料や医療、教育などの支援を行います。
さらに、すべての子どもの生きる・育つ・守られる・参加する「子どもの権利」を実現するために、政府や企業にも働きかけて、子どもたちが安全に過ごせる世界を作ることを目指しています。セーブ・ザ・チルドレンは、ボランティアや寄付によって支えられており、誰でもその活動に参加することができます。
日本財団(にっぽんざいだん)は、1962年に設立された公益財団法人で、さまざまな社会問題を解決するために活動している団体です。国内外で、福祉、教育、災害支援、医療、環境保護など、幅広い分野の支援を行っています。
たとえば、高齢者や障がいのある人を支える活動や、子どもたちが安心して学べる環境づくり、災害が起きたときの支援などがあります。また、ボランティアや地域活動を応援したり、国際的な支援も行ったりしています。
日本財団の活動は、地方自治体が主催するボートレースの売上金を元に行われていますが、寄付も受け付けています。困っている人を助けたり、よりよい社会をつくるために、多くの人と協力して行動する団体です、ボランティアやイベントを通じて参加することもできます。
AAR Japan(Association for Aid and Relief, Japan/難民を助ける会)は、1979年に日本で生まれたNPO法人(特定非営利活動法人)で、世界中の紛争や災害などで困っている人たちを助ける活動をしています。特に、国を逃れてきた難民や、障がいのある人など、困難な状況下で特に弱い立場にある方々への支援を行っています。また、地雷や不発弾でけがをしないように、安全な場所づくりにも取り組んでいます。AARは、日本国内でも、災害にあった人たちを助ける活動をしています。その活動はボランティアや寄付によって支えられており、誰でもその活動に参加することができます。学生でも学べるワークショップやイベントもあり、世界の問題について考えるきっかけをつくっています。
ジャパン・プラットフォーム(JAPAN PLATFORM/ JPF)は、災害や戦争などで困っている人たちをすばやく助けるために、日本のNGO(人を助ける団体)、経済界、政府が協力してつくったしくみで、効果的な人道支援のために連携して活動する中間支援組織です。2000年にできてから、国内外を問わず世界中のいろいろな場所で食べ物や水、薬を届けたり、避難所をつくったりして支援を行っています。JPFは、困っている人たちのところに迅速に効果的な支援を届けることを大切にしています。個人の方には寄付のほかイベント参加などでその活動に参加することができます。また、中学生や高校生向けに、世界の問題を学べるイベントもあり、未来を担う若い世代の参加も応援しています。
ピースボート災害支援センター(Peace Boat Disaster Relief / PBV)は、2011年の東日本大震災を契機に設立され、大きな地震や台風などの災害が起きたときに、困っている人たちを助けるために活動している団体です。日本国内だけでなく、数多くの国や地域でも災害時に支援活動をおこなっています。全国からボランティアを集めて、がれきを片づけたり、物を届けたり、被災者の生活に寄り添う活動を行っています。また、災害にそなえるために、防災の勉強会や訓練も行っており、災害に強い社会作りにも取り組んでいます。この活動はボランティアの参加と寄付によって支えられており、それらに協力することで誰でも参加することができます。
あしなが育英会は、病気や災害、自死などで親を亡くした子どもたちや、親が重度の障害を持つ家庭の子どもたちを支援する民間非営利団体です。1967年に設立され、これまでに約11万人の遺児の進学を支援してきました。
主な活動内容は、教育支援の一環である奨学金の貸与です。また 心のケアを目的とした施設や、学生寮を運営し、遺児たちが安心して学び、成長できる環境を提供しています。また、アフリカの遺児を支援するあしなが運動を世界に広めるため、アフリカを中心に海外にも活動拠点を拡げています。
あしなが育英会は、寄付金によって運営されており、個人の支援者「“あしながさん”」からの寄付が中心となっています。
レスキューストックヤード(RESCUE STOCK YARD / RSY)は、災害時に被災地を支援し、平常時には地域の防災力を高める活動を行っているNPO法人です。阪神・淡路大震災が発生した1995年「震災を風化させてはいけない」との思いをもち前身となる「震災から学ぶボランティアネットの会(通称・ネットの会)」が結成され、その後RSYとして2002年に設立されました。これまでに30か所以上の被災地で支援活動を行っています 。
RSYの主な活動は、被災者支援、地域防災・減災活動、災害時要配慮者支援、ネットワーク拡充の4つを基本に、災害から学んだ教訓を活かし、地域の防災力を高める活動を通じて、命と暮らしを守る社会づくりに貢献しています。
日本サーチドッグアソシエーション(Noppon Searchdog Association / NSA)は、2020年に神奈川県横浜市で設立されたNPO法人です。この団体は、災害時の人命救助活動や行方不明者の捜索を支援するために、サーチドッグ(災害救助犬)を訓練育成し派遣を行っています。
主な活動は、サーチドッグの訓練とそのパートナーになるハンドラーの育成です。災害時に迅速かつ効果的な捜索活動に繋げるために、日々訓練やワークショップ、認定試験などの活動を行っています。
これらの活動は、寄付やボランティアの協力によって支えられています。